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渇水

富士河口湖

 

冬の空が大きくうねる日 湖は静かにその姿を変えていた。

 

 かつては水の底にあった溶岩は いま大地に姿を現し 誰かの手によって静かに積み上げられていた。

不思議な程 絶妙な均衡で 空へ向かう小さな石の塔。

 

 水位が四メートル下がった河口湖の岸辺では いつもは湖に浮かぶ六角堂まで 今は歩いて渡ることが出来る。

 

 雲の流れ 乾いた大地 そして静かな湖。自然がほんの少し表情を変えただけで 見慣れた風景はまるで別の世界ように現れた。

 

 そんな瞬間を この石の塔はそっと見守っている。

 

世界文化遺産